自分らしく今を生きる!

自ずから収まるところに収まる

息苦しくなることがあるのはなぜか。

-肺炎、気胸の可能性も考えながら―

(1)一般的説明

息苦しいとは、これまで無意識にしていた呼吸がしにくくなり、浅い呼吸を繰り返すことを意味しますが、そこまではいかないにしても、なんとなく息苦しさを感じる場合も含めて、ここで整理を試みます。

 強い息苦しさを感じて、浅い呼吸しかできないということは、ガス交換が行われている肺の領域が狭くなっていることを示唆します。強い息苦しさを感じる原因をネット情報を参考に整理すると(末尾参考文献)、大きくは二つに分けて整理できそうに思います。一つ目は精神的なものを原因とし、過呼吸パニック発作などを起こす場合です。二つ目は、器質的な異常を原因とし、心臓から血液を送り出すポンプが弱って、心臓に戻る血液が肺でたまりがちになっておきるものと、心臓に異常がなくて、肺を直接の原因として起きる場合です。これには、COPD(肺胞同士を分ける膜が壊われ、広い空間をつくってガス交換が十分行われなくなったもの)と肺炎、気胸があります。参考文献に直接の言及がないので、わかりませんが、肺炎を原因とする場合とは、肺胞が線維化して柔軟性を失って肺の動きが悪くなった場合や、肺に水がたまってガス交換が損なわれる場合を想定しているのではと思います。肺胞に細菌が感染すると、これを退治するために血管内から免疫細胞が出てくるわけですが、そのときに血清成分も一緒に出てくるということなのでしょう。水で満たされるということは、ガス交換が阻害されるということでもあります。それを犠牲にしても、まずは細菌をやっつけることを選択した結果ではないかと寅三郎は勝手に想像を膨らませています。ただ、それについて触れた文献にこれまで接していないために、よくわかりません。

 強い息苦しさを感じるほどではないにしても、なんとなく息苦しさを感じる場合としては、痰が気道に絡んで、一時的に気道が狭くなった場合が考えられます。この場合、痰として排出されれば、息苦しさは解消されます。寅三郎は何度も経験しています。また、痰が詰まって気道が狭くなった場合には、呼気を出したときに喉の奥からヒューという喘鳴が聞こえる場合もあります。喉の構造を考えると、呼気のときは肺に近いほうの気道が収縮して、逆に口に近い方の気道が広がるということですので、あるいは狭くなった肺に近い方に痰が絡んでいるとそういった症状がでるのではないかと思っています。

 

(2)寅三郎の場合

 気胸について、寅三郎は二回経験しました。一回目は、今から15年前のことです。病院で肺の組織を取って、悪性か否かを調べる検査を受けた際、誤って胸膜を傷つけてしまい、空気が外側に漏れたことがありました。病院のベッドの上で目覚め、検査は無事に終わったと思っていると、医師に呼ばれました。レントゲンで、右肺の上葉部に半円のような形で黒い影が確認され、肺がぺコンとへこんでいるのが確認されました。医師からは一刻を争うといわれましたが、息苦しさは全く感じられませんでした。肺の癒着が進んでいたために、漏れ出たところが限定的だったためかもしれません。ただ、不安を感じ、そこの病院を退院し、ほかの病院で手術を受けました。それにしても、検査の説明の際に、そういったことも想定して、承諾書のなかに「検査時に、万一の際は緊急でオペをやる場合がある」と記載しておけば済むことだと思うのですが、気胸を起こして肺の委縮が強くなったときに、麻酔で寝ている患者を無理やり起こして、承諾を受ければいいとでも考えたのでしょうか。ずいぶん間の抜けた対応があったものです。

 二回目は、アスペルにかかって初めて入院した2年前(2019年)のことです。入院の理由は、一般雑菌で肺炎にかかったためでしたが、肺炎の症状も収まって、退院まじかになったある日、医師から軽い気胸を起こしている。ただ、おそらく放っておいても自然治癒するのではないか、心配ありませんといわれました。このときも全く息苦しさ、息がしにくい等を感じませんでした。レントゲンでよくみれば、肺がほんの少しだけへこんで、黒くなって写り、胸膜の外側に空気が漏れていることが確認できました。退院後の診察日にとったレントゲン写真では、空気の漏れは自然に収まっていました。先生の慧眼に感謝しました。一安心したことを覚えています。

 二度の気胸はともに息苦しさや息のしにくさを経験しませんでした。漏れたけれども、肺を包む胸膜が胸壁にべったりと張り付いていたことで漏れが局限したのかもしれません。しかし、もし、胸膜が胸壁に癒着していない状態で胸膜を損傷して、空気が外に漏れた場合を考えると、空気が肺全体を押しつぶし、一刻を争うということになったことは想像に難くありません。末尾に、この気胸という病気。物理的に胸膜を傷つけて起きる場合は当然ありますが、カビが影響して、胸膜側を損傷して空気が漏れるということはないのか、気になることではあります。いつか、先生に伺ってみたいと思うこの頃です。

(参考)

【特集】息苦しさ・息切れには命の危険も!症状として現れる病気まとめ | NHK健康チャンネル