消化と吸収(酵素補給について)

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。今日は、酵素補給について、調べた結果をお知らせします。

 体調がいいとは、快食・快便・快眠であること。消化活動は胃腸、膵臓、肝臓などの消化器官により行われますが、そこで主役を務めるのは消化酵素です。ところが、消化酵素が不足すると。代謝酵素不足が生じます。これは、肝臓などでは代謝酵素により、有害な物質の無害化(身近な例ではアルコールの分解過程で生じるアセトアルデヒドの分解など)が図られていますが、この際、消化酵素の変わりは代謝酵素ができるが、代謝酵素の不足は誰も補ってはくれないということがあります。そのことで代謝酵素不足を起こすと、一時的とはいえ代謝酵素不足を生じて体内に有害な物質を残すことにもなりかねません。薬の代謝も同様です。この結果、普段は根を上げない肝臓や膵臓に過重な負担がかかることにもなります。

 では、不足する消化酵素不足をどうやって解消すればいいか。寅三郎は、同病の友人から教えていただいた、ニンジンジュースをスロージューサーで搾って飲むことを行っています。ニンジンジュース生活はほぼ2か月になろうとしています。痰も少なくなって調子がよいです。先日、ガサガサの乾燥肌(二の腕)がいつの間にかスベスベになっていることに気が付きました。女性にもよいかも。ただ、ニンジンの持つ酵素アスコルビナーゼ」は他の野菜の持つビタミンC(アスコールビン酸)の抗酸化力を失わせるそうで、少し気になるところです(もっとも、のちに別の酵素の働きで水素イオンの補給を受けると抗酸化力が回復するそうですが)。柑橘系のビタミンCとの相性はよいそうで、寅三郎はユズの果汁や皮(果汁の4倍のビタミンC含む)やリンゴ1個を混ぜています。また、搾汁カスですが、ポン酢等をかければ(食酢も)アスコルビナーゼの働きを封印するそうです。多くの栄養を残しています。無駄なく食したいと思っています。本日も、ブログにお付き合いいただき、ありがとうございました。

アスペルくん、さようなら(療養→そして社会参加へ向けて)

 真綿でジワリと首を絞められるようなこの病気は本当にタチが悪い。熱や痰が出て医者にかかれば、レントゲン、血液検査、痰の検査。何をやってもなかなかアスペル君がしっぽを出さない。抗菌薬も効かない。そうこうするうちに何年か経ち、気が付いた時にはアスペル君が肺に居を構え、一国一城の主となって威張っている。家主を危険にさらしながら。寅三郎は、この、どうしようもない病に足掛け9年付き合わされてきました。退職したら新しい仕事も経験し、休みの日には、晴耕雨読、芸術的な創作活動も楽しみたい。ボランテア活動もやってみたい。夢を膨らませていたことをすべて諦めざるを得ませんでした。咳や痰、息苦しさなど、とても、仕事どころではない。趣味までも犠牲にしてきました。そろそろ第二の人生をやり直したい。社会参加を視野に入れていきたいと考えています。

 とはいえ、アスペルくんが本当に退散したかどうかも定かではないこの時期に、勝利宣言もできません。薬を断つタイミングがつかみづらいんです。もしかして検出限界を下回っているだけかもしれない。もっと言えば、〇〇にカビがついているという表現をしますが、もともとなかったところについたのではなく、もともとあったが、量が少ないために気が付かなかった、量が増えたために見えるようになった、そういったことが多いと思います。そんな見えない敵相手に過剰に用心したって所詮は限度があります。であれば、出たらたたけばいい。モグラたたきゲームのように。もともと、ヒトの体にはそういった力が備わっているはずですから。

 足掛け二か月、28テーマにわたってお付き合いいただきましたが、本日、クリスマスイブの記念すべきこの日に最終テーマで閉めることができて幸せに感じています。28番目のテーマは、「肺を手術するについて、内科医は経過観察を勧め、外科医は切除を勧めるといった具合に判断が割れたときに、あなたならどう決断されるでしょうか」ということです。判断材料は圧倒的に医師側に偏っています。患者側には知識どころか、焦りしかありません。その状態で同意を求められます。それでもあなたは手術に同意しますか?「どうにでもなれ」と半ば捨て鉢気味に同意書を書いた経験のある方もおられるのではないでしょうか。寅三郎のときもそうでした。肺を切ってはみたが、結局は問題なかった。当時の技術水準で判断いただいたことなのでやむを得ないと諦めはしましたが、15年以上も前に受けた手術が原因で、あるいは後々に肺の抵抗力を弱めることにつながり、カビを受け入れやすくなる素地をつくってしまったんではないかと考えることがあり、どこか口惜しさが残ります。

 手術は何事もなく経過すれば、それで医師側のリスクは終わります。しかし、その後のリスクは患者が一生背負わなくてはならない。そうであるならば、外科医を前に手術の同意などの重要な判断をするときは、患者側にも医学の専門家(代理人)に隣にいていただきたい。そういったなかでの判断だったらどんなにか気が楽でしょう。後顧の憂いなく同意書を出すことができます。その結果、真に必要な手術のみが残り、しなくてもよい手術が減らせるならば、医療事故だって今よりは少なくなるのではといった気がします。

 人生100年時代を迎え、できれば健康な体で長生きをしたい。そのためにはできる限り、体に負担を残すことはしたくありません。参考になるのは、自動車事故などの分野(損害保険)であるいは利用されていると思われる、専属の弁護士による事故相談です。医療保険においても、医療業務に詳しい方によって、同様のサービスが受けられるようであれば、上記課題が解決すると思われます。このことは、患者側に利益であるだけでなく、医師側にも、ひいては医療行政側にも利益があるのではと寅三郎は考えますが、皆さんはどのようにお考えでしょうか。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。<(_ _)>

※闘病記は、ここで終わりますが、この後は適宜、思いついた時に追加していこうと思います。引き続き、お立ち寄りいただけると幸いです。

 

<寅三郎のメモ>

(現在、食事等で心掛けていること)

 

 食品

 薬

 朝

(朝食時)

 ラクトフェリンヨーグルト

 ニンジンジュース(スロージューサー絞)

 クルミとお茶(プラズマ乳酸菌入)

 

 

昼前にブイフェンド

 昼 

(昼食時)

 R1ヨーグルトと玄米酵素

 

 夕

(夕食時)

 ニンジンジュース(スロージューサー絞)     

 お茶(プラズマ乳酸菌入り)

 

寝る前

 ラクトフェリンカプセル

夜にブイフェンド

※ニンジンジュース、玄米酵素は日常のケアに、また、ラクトフェリンは細菌対策、プラズマ乳酸菌・R1はウィルス対策を基本に利用しています。果たして、効果のほどは?

日常のちょっとした変化にご用心

 シリーズもののブログをまとめ終えて、一安心していたところ、黄色い痰が出始めましたが、平熱維持。体がだるい。そんな症状が数日続きました。肺に炎症があれば、多少なりとも熱は出るはず。では、気管支炎の痰か?不安が様々に駆け巡りました。定期の訪院日になり、検査の結果、おおむね異常なし。

    ヒトの心は、パニックがあると脳の血流が低下し、脳の萎縮がみられることもあるそうです。このため、危険がせまると脳は防衛反応を起こし、「自分は大丈夫」と思う傾向にあります。正常性バイアスと言うそうです。バイアスとはちょっと抵抗がある言葉ですが、「誤差範囲」だから大丈夫みたいな言い方はしますよね。誤差範囲というのがバイアスです。この点を、病気の場合に当てはめればどうかを考えてみますと、健康な人が急に体調が悪くなる場合、「これまで健康だったんだから、休んでいれば治るだろう。それでも続くようなら念のため病院へ行こう」と考える人が大半でしょう。それは、正常性バイアスが働くためといえます。では、慢性で日常的に治療を続けている人の場合はどうか。「医者にかかっているんだから、誤差範囲だ、すぐ元に戻るさ」と考えられるかどうか。それができる人は大物ですよね。通常は悪いことを考えてしまいます。寅三郎もそうです。

 これまでのブログから、あるいは、寅三郎は、ただ右肩上がり一本調子で回復してきているように誤解を与えてしまったかもしれません。そうではなく、体調は日々変化しています。これは、消化も代謝もすべて、酵素が関わった生化学反応が関係していて、体内の消化酵素に不足が生じると代謝酵素が補いますが、代謝酵素に不足を生じてもどこでも補えず、代謝酵素不足が生じるところに理由がありそうです。代謝酵素不足が常態化すると体内に毒素が残り、体に負担をかけるといったところでしょうか。

 (外敵の侵入は常時免疫細胞が対応していますが、これとは別に)日常は、この消化・代謝酵素の働きで体が動かされています。1+1が必ずしも2になるわけでもなく、1.8とか1.5とか、酵素阻害で反応が進まなければ、1にしかならないことさえあるわけです。この影響を受けて体調は日々変化します。となれば、その変化が重要な変化なのか、日常的な変動(誤差範囲)なのかを見極めることが次に大事になってきます。このため、寅三郎は3年日記をつけて、細かな体調の変化を書き留めています。もともとは、喀血を繰り返していた時期に、せめてあと3年くらいはと思って書き始めた3年日記でしたが、いつの間にかその3年が過ぎ、今は過去のデータを比較するためのものになりました。これが、体調を比較してみるのに結構役立っています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。<(_ _)>

自律神経を鍛える呼吸法

 笑いが健康に与える影響について、笑いによって免疫力が活性化されるとする発表がいろいろになされています。三宅ほかの発表(参考文献)によればNK細胞が活性化されるという文献が多いようです。引用すれば「お笑い健康講座参加者27名に笑いの効能についての20分程度の講演と2時間程度の落語を体験させ、笑い体験直前30分以内と直後30分以内に NK細胞活性の検査を実施した結果、27名中18名の NK細胞活性の上昇を認めた」、残りの9名もNK細胞活性は実施前からすでに基準値を超えていたといったことを紹介しています(西田ほかの実験の紹介)。9名の方は高座を期待して高揚感が高まっていたので初めからNK細胞が活性化していたのでしょう。

 ここで、NK細胞について整理しておくと、NK細胞はリンパ球の一種です。細菌(真菌)が侵入した後に顆粒球(好中球、単球)とともに最初に撃退にあたる免疫細胞です。日常的に顆粒球(好中球、単球)とNK細胞はセットで探査活動をして、外敵を見つけると駆除します。しかし、これとは別に、笑いによって緊張が無意識のうちにゆるみ、副交感神経が刺激された結果、末端からアセチルコリンが出て、リンパ球(のうちでNK細胞)の放出を導いたと考えることはできないでしょうか。

 真偽のほどはさておき、こういったことを無意識のうちにやりとげるというためには、緊張を緩める機会を意図的に作ってやることが必要なように思います。軽い運動をして汗をかいたり、静かな音楽を聴くとか、あるいは芸術に親しんだり、美味しいものを食べたりしてたまには体と頭を休ませることが重要なのだろうと考えます。

 このように、自律神経を意図的にコントロールすることはできませんが、体を守るために都合よく動くように仕向けることはできるように思います。中村天風の本がこのあたりを紹介していて、本を読むと、クンバハカという訓練法がでてきます。肛門をグッと閉めて、肩の力を抜き、丹田に力を込める。この一連の動作を一瞬にやる。1日2,000回でも、何回でも繰り返すことを推奨しています。繰り返すことで、自律神経が安定化するようです。寅三郎は何度目かの入院の際に知人から中村天風の本を紹介され、病院の売店に行くとたまたま天風の本が置いてありました。このクンバハカをやると、不思議と心が落ち着くような気がしました。ちょうど、重量挙げの選手が腹を決めて、一気にバーベルを持ち上げるときのさまを想像すればわかりやすいと思いますが、まさに人は一瞬にして心身統一をして事に臨むことができる方法がクンバハカ法なわけです。

 現代はストレス社会です。ストレスと上手に付き合っていく必要があります。それは、アスペル君と上手に付き合っていくことでもあります。また、よけいな詮索をしてしまいました。お許しください。ではまた。

 次回は、このシリーズの最後になります。アスペルで闘病中の皆さんに、あいつもいっぱいブログ書いていたけど、やっぱりだめだったか、アスペルは強烈だな、なんて妄想させてしまっても申し訳ないので(笑)、次のステップへ、元の生活へ戻ることを意識したブログへ舵を切りたいと思います。この病で闘病中の皆さん、一緒に頑張りましょう。「夜明け前が最も暗い」ということわざもあります。引き続き、お付き合いいただければ幸いです。

(参考)

健康における笑いの効果の文献学的考察、三宅 優ほか、岡山大学医学部保健学科紀要、17巻、pp1-8、2007.

笑いとNK細胞活性化の変化について、西田ほか、笑い学研究、8巻、pp27-32、2001.

ヒトは脳が発達したために余計なことに悩むようになり、治りづらくなった。

 NHKの番組「チコちゃんに叱られる」をみていたら、ヒトの先祖は肉食獣の食べ残した硬い骨のなかの骨髄を食べるために、石を使うことを覚え、そのために親指が発達したということをやっていました。動物のなかでヒトほど親指が太い動物はほとんどいないそうです。

 440万年前、人類の祖先は森の中で果実や木の葉を食べて暮らしていましたが、その後、地殻変動が起きて、森は乾燥地帯に変化します。二足歩行を手に入れた人類の祖先は生きるために草原地帯へと進出します。まだ狩りをする技術はなく、逆に肉食獣の餌食になることを避けながら、おこぼれ(肉食獣が食べ残した骨)を食料とするほかはなかったといいます。

 しかし、骨はあまりにも硬い。硬い骨を割るには道具を使うしかありません。たまたま近くにあった石を手にした祖先はこれで割れば中身が取り出せることを学びます。やがて道具として石を握りしめる習慣ができ、それが親指を太く発達させることになったとか。そのおかげで骨髄を食べるようになったが、骨髄は栄養が豊富なため、意図せず脳の大きさが400ccからおよそ3倍の1000ccに増えたとのことです。現在の人類の脳の大きさはおよそ1500ccです。

 これは、研究者の仮説ではありますが、考えさせられるものがあります。偶然の連鎖が、ヒトの脳の発達を促したという点です。人類の祖先はたまたま肉食獣が食べ残した骨の中の骨髄を食べるしか手がなかった。それが硬かったために、偶然に石を使うことを覚えた。それが親指を発達させた、と同時に骨髄の栄養のおかげで脳の発達も促した。ここまでが偶然の連鎖でつながっているからです。それが、もし、チンパンジーだったとしたら、現在のヒトは存在せず、チンパンジーがヒトたる地位にいたかもしれません。

 ところで、脳が発達したことはよいことなのですが、そのために余計なことでも悩むようになったのではとも思います。このことで、中村天風さん(結核に若いころに罹患し、それを自力で克服、天寿を全うした)の体験談で、興味深い話があったのでご紹介します。天風は、(当時、死の病と恐れられた)結核を治すため、一縷の望みを抱いて、カリアッパ聖者に従ってヒマラヤの秘境で修業をしていたことがあるそうです。聖者の膝の上をみればイヌが一匹。聖者は、ナイフを取り出すといきなり犬の前足をサッと傷つけます。驚いたイヌは叫び声をあげて逃げていきました。しかし、話はそこで終わりません。今度は、天風の右手首を取るやいなや、腕をサッと切りつけます。天風はびっくりして、師に対し「何をする!」と一喝しました。聖者は「イヌとお前と、どちらが先に傷を治すか、やってみよ」と悠然と答えました。すでに重い結核の病を抱えている天風にとって、傷口に雑菌が入れば、それこそ命取りになりかねません。

 傷をかばって、1週間が過ぎたころ、天風は再び聖者の部屋に呼ばれます。聖者の膝には先日のイヌが座っていました。「傷を見せてみよ」といわれ、みせると、傷口は赤く腫れあがり、痛みがありました。「イヌの傷は、もう跡形もなく治っているぞ。お前はどうして治らないのか。」聖者は質問します。

 自然免疫力ではイヌもヒトもそんなに変わらないはずです。にも拘わらず、イヌが早く治り、ヒトの治りが遅かったのはなぜか。それは、ヒトは余計なことを考えて免疫力を落としているからに違いありません。

 ヒトの免疫は7割が腸にあり、残りの3割が心にあるという方がいます。正確には腸以外の臓器や皮膚、粘膜などに3割あるというべきなんでしょう。それが心であるはずがない。全身のリンパ系に残りの免疫細胞が配置されているはずですから。だからこそ、水際で阻止できる仕組みを整えているわけで、そのことを百も承知で、あえてなぜ、心にこだわるのか、それは、自律神経が免疫細胞を動かしているからという点だろうと考えます。たとえば、交感神経の末端からアドレナリンが放出され、顆粒球(好中球)が増えます。その一方で、副交感神経の末端からはアセチルコリンが放出され、リンパ球が多くなります。

 交感神経はたとえば、仕事を始めるについて体を活動的にさせるほうに働く神経です。これに対し、副交感神経は消化吸収を促進させたり、体を休めるほうにはたらく神経です。この消化吸収(副交感神経のはたらき)とそれを元にエネルギーをつくる(交感神経の働き)をコントロールすることは、健康維持にとって、とても大事なことのように思えます。もともと、自律神経をコントロールすることができませんが、自律的に正常な働きをさせることは、訓練によって可能となるようですので、次回はそのことに触れたいと思います。

(参考)

中村天風 怒らない 恐れない 悲しまない 、池田光著、三笠書房、2010.

薬の副作用について

 食べ物が体のなかでどのように分解されて、再利用されるのか、寅三郎もこの病に罹るまではあまり意識したことはありませんでした、しかし、この病にかかって、体重が落ちてなかなか復帰しないことがありました。これは最大の気がかりでした。なにしろ、ふらふらしてまっすぐ歩けない。このことから、必然的に栄養状態のことを真剣に考えるようになりました。ここでも、まず、食品の分解から代謝の過程を整理し、その後、ブイフェンドの副作用について考えていきます。よろしくお付き合いください。

 タンパク質はアミノ酸の球がネックレス状につらなり、それが、らせん状や折り畳まれた形の立体構造をしています。この立体構造は、胃では消化酵素ペプシンの力を借りて、分解が進みます。ペプシンは強い酸性状態で最もよくはたらく酵素です。その後、十二指腸に送られてからは、膵液と混じります。膵液は重曹を含み、胃で酸化された食物を中和します。と同時に中性状態で最もよくはたらくタンパク質分解酵素であるペプチターゼの働きを借りてさらに分解が進みます。膵液は消化液のなかで最強といわれます。「最強」とは、膵液はタンパク質だけでなく、脂肪、炭水化物を分解する消化酵素まで分泌しているテリトリーの広い万能の臓器だからです。ただ、強力な消化液で膵臓自らを消化しないよう、膵臓からは消化液は前駆体(非活性)という形で十二指腸に出されます。いわば、バリヤーをかけられた形で十二指腸に送られ、十二指腸で分解が完成するようになっています。そういったことを考えると、万能の臓器だからこそ、過剰な負担がかかってなにかの事情で保護が破られ、膵液によって傷害をうけるということになれば(膵炎等)、大変なことになります。小腸(空腸)から回腸へ進む頃にはほとんどがアミノ酸に分解されます。ここまでが、分解の過程です。

 その後、アミノ酸は、小腸の上皮粘膜から吸収されたのち、門脈を通じて肝臓に運ばれます(ちなみに、脂質は油溶性のため、リンパ管経由で肝臓に運ばれるとのことです)。肝臓では約2000種の(代謝酵素があって、瞬時に500もの化学反応を起こし、肝細胞1個あたり、一分間に60~100万個のタンパク質を生産しています。アミノ酸はここで新しいタンパク質に生まれ変わり、ヒトの細胞の組織に使われます。もちろん、小腸から吸収され、肝臓に運ばれるものは栄養に限りません。薬なども一部は小腸にある酵素代謝(無害化)されて、大腸経由で排出されますが、残りは小腸腸管から吸収されて肝臓に運ばれます。肝臓で一部は分解(無害化)され、残りが血管を通じて全身に行き渡ることになります。ここまでが代謝の過程です。

 

 ここまでの整理をもとに、副作用の話へ進みます。ブイフェンドは主に三つの副作用があるようです。組織移行性の強い薬であることから、その裏返しとして副作用を及ぼす場面がそれだけ多いということでもあると思います。

 まず最初に、目のチカチカ症状です。これはほとんどの方が経験しているはずです。寅三郎は幻覚まで見る始末でした。参考文献から引用すれば、「VRCZ(ボリコナゾール;寅三郎追記)は,組織移行性の優れた薬剤であり,特に,他の抗真菌薬と比べて,脳脊髄液および眼内への移行性が高」いとのことです。ただ、特に治療を必要とせずに放っておけばそのうち消失するようです。

 第二に、光線過敏の症状がでることです。注意書きでは長袖に帽子をかぶり、皮膚を露出しないように注意すること、皮膚がん等にかからないように日常的に皮膚の状態を注意することというのが挙げられています。理由としては、皮膚に残る薬物が光を吸収してタンパク結合を起こし、これを免疫細胞が異物と判断して攻撃を加えるといったことが関係するようです(以前にペンデイングしておいた血清中でのタンパク結合した薬剤の代謝過程も、免疫細胞によって異物として葬り去られるということなのか?)。

 第三に肝臓への影響です。血液検査結果をみると、抗真菌薬を服用することになってからγGTPとALPの値が急上昇することが挙げられます。いずれも、肝臓でつくられる消化酵素で、胆のうに一時的に蓄積され、胆汁として出されるものです。そこで、胆汁の流れが悪くなると(胆石など)、これらが十二指腸に排出されずに血管に再吸収されて、血液中のγGTP、ALPの値が大きくなると考えられます。この点、副作用に関しては上記流れを辿るわけでもなく、ブイフェンドが酵素阻害を起こす影響で、消化を促進するために肝臓で消化酵素の分泌機能が亢進するということだと思うのですが、よくわかりませんでした。これらの値を下げる目的で、ウルソ(漢方薬としての生薬、熊胆が起源といわれます)が処方されることが多いと思います。消化薬(胆汁酸の代替)です。消化薬を外から補充してあげれば、肝臓はγGTPやALPの生産が抑えられ、負担が軽くなるといったところでしょうか。この点、参考文献から引用すると「胆汁酸とは、簡単に考えると「食物中に含まれる脂質の吸収を助けるために分泌される物質」になります。これにより、食物の消化を助けます。胆汁として胆汁酸が十二指腸から分泌された後、胆汁酸は腸から吸収されて肝臓に戻り、再び胆汁として」使われ、再利用されます。この点、「薬として外から胆汁酸を投与すると、腸肝循環によって胆汁として何回も利用されます。胆汁酸の投与により、胆汁分泌が促進される」ということを意味します。一方で、胆汁酸は肝細胞の組織傷害が強いことがあり、これをウルソに置き換えることで肝臓が受ける傷害が小さくなるといったことも処方の理由のようです。

 寅三郎は、イトラコナゾールのときは、ALPのみが高い数値を示し、ボリコナゾールに変えてからは、γGTP、ALPともに高くなりました。薬の副作用だと思われます。ただ、胆汁酸は脂質の吸収を助けるということなので、であるならば、脂っこいものの摂取を控えれば、数値は下がるのではないかとも思います。寅三郎の数値は現在安定しています。ウルソの処方もありません。

 (参考)

〈症例報告〉 ボリコナゾール投与中に中枢性症状(幻覚・幻視)または視覚障害をきたした6例、加藤秀雄ほか、THE JAPANESE JOURNAL OF ANTIBIOTICS 、VOL69、No3、143-150.

ウルソ(ウルソデオキシコール酸)の作用機序:肝機能改善薬 (kusuri-jouhou.com)

脂肪の代謝とその調節 ―からだのエネルギーバランス― 、大隅 隆、公開講座

※寅三郎のブログをいつもお読みいただき、ありがとうございます。寅三郎にとって、皆様の閲覧が大きな励みとなっており、また、書くことを通して、自分の病と客観的に向き合うことを心がけてきました。このブログは、自分のメモとして今後の参考にするために始めたことでした。なので、自分の言葉で書き記し、わかったこと、わからないことを明示して、今後の修正にゆだねることとしています。そして、ようやく、今日、ここまで来れました。「考察の順序」に沿って悩みながら毎日書き続け、なんとか残り数回を残すだけになりました。今後はペースを落として書いていきます。なお、内容の正確性を確保したい思いから、新しい知見を基に、以前に書いたブログの内容を訂正する場合があります(その場合、末尾に※で訂正年月日などを入れて、最新の内容に更新していきたいと思っています)。あらためて、これまで、お読みいただきありがとうございました。引き続き、よろしくお付き合いいただければ幸いです。

免疫を高める漢方薬について

 この病に罹って、寅三郎はこれまでに補中益気湯(エキス剤)、十全大補湯(生薬)を処方いただき、それなりの効果を実感してきました。西洋薬の場合、酵素阻害薬などを考えれば明らかなように、酵素の働きを阻害することで、体内での生化学反応を先に進めなくして所定の効果を出す薬なので、原因と結果が一対一に対応しています。これに対して、漢方薬の場合、補中益気湯十全大補湯いずれにしても、様々な生薬を組み合わせて構成されているため、このうちどれが効いて効果が得られているのか、なかなか説明が難しい点があります。この意味で、漢方薬はいってみれば総合感冒薬のようなものではないかとの思いが寅三郎にはありました。

 ところが、最近、補中益気湯が、リンパ球のヘルパーT細胞の働きを直接強めることに言及したとみられる文献を見つけました。引用すれば、補中益気湯は「腸管上皮間リンパ球からのインターフェロンγ産生によりマクロファージを活性化」する働きがあるとするものです。リンパ球の働きについては、別の参考文献からの引用で恐縮ですがヘルパーT細胞は、「B細胞に作用して抗体をつくり出させること」と、「マクロファージやキラーT細胞に攻撃指令を与えて活性化させる」ことの二つの働きがあるとされます。このうち、補中益気湯についての上記論文の言及は後者に関連したものとみられます。もしそうであるなら、漢方薬としての免疫賦活薬は、少なくとも補中益気湯に関する限りは、免疫細胞に直接働きかける一対一の効果を持つと考えることができそうです。おそらくは十全大補湯も同様の作用機序を持つのでしょう。免疫力を直接高める薬剤は、西洋薬にはないとのことですので、ブイフェンドを服用すると同時に、こういった漢方薬の併用も有効ではないかと考えた次第です。先生にご相談すれば、エキス剤がもらえるはずです。ただ、漢方薬(エキス剤)は食間で、ブイフェンドも食間です。同じ時間帯で飲んでもよいと思いますが、確認が必要です。

 一方で、最近は免疫細胞の司令塔であるヘルパーT細胞を刺激して免疫機能の活性化を及ぼすものや、NK細胞を活性化させる食品なども市販されています。これらを上手に取り入れていきたい。ただ、サプリに頼りすぎることは避けたい。理由の一つに、食品からとれば消化酵素も同時に摂取できますが、サプリからとれば、サプリの消化酵素は体内の消化酵素を使わざるを得なくなるということがあります。その分、代謝に回す分が減るのではないかと考えられます。

(参考)

キラーT細胞の役割 (wakarugantenittmgd.com)

漢方薬の免疫薬理作用 ―慢性疾患の改善作用の主要機序として― 、川喜多卓也、日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)132,276~279(2008)