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なぜCRPの数値が上がるのか(炎症反応について)

(1)一般的説明

「なぜ痰がでるか」で、CRPは後処理の過程と整理しました。単球から変化したマクロファージが細菌と出会い、これを貪食した際に、細菌の形を記憶し、これをリンパ球に受け渡して(抗原提示)B細胞に抗体(免疫グロブリン)をつくらせる、と同時に、後処理として、サイトカインを出して、肝臓に働きかけ、CRPをつくらせ、これを細菌の細胞膜に付着させることで、貪食細胞が掃除する際の目印になると整理しました。

 しかし、その後、参考文献に接して読み進むうちに、大体は正しいが、少しだけ違うんじゃないか。CRPは、目印を提示するといったような働き(オプソニン効果)は持ち合わせていないのではないかと思い至りました。「ちなみにCRPはオプソニン作用を持っていないことを付け加えておきましょう。CRPがオプソニン作用を持っていれば、補体そのものになってしまいますね。」(Dr.松本のブログ)。

 改めて整理すると、最初は、貪食細胞(マクロファージ)が細菌を丸呑みし、リンパ球に抗原を提示して、抗体を盛んに作らせる。その一方で、肝臓にCRPをつくれと促し、作られたCRPが、細菌を退治するため、血清内に放出されて、抗原抗体反応をサポートする。後処理の過程については、別の参考文献では「マクロファージは、残った壊死細胞や異物を貪食作用で処理する。リンパ球は、病原を除去するために働く。」、つまりは、CRPではなく、傷害細胞自らが発するSOSのサインを受けてマクロファージが後処理を行うということを述べています。

 ちなみに、無理にCRPを下げようと思えば、免疫細胞がサイトカインを出さないように仕向ければいいわけです。この働きを阻害するのが、ステロイドホルモンで、これを大量投与すれば、CRPは上がらないことになります。結果、炎症反応は起こらず、CRPは低いまま。その後の抗原抗体反応は進まず、細菌が野放しとなってしまう。寅三郎が、この病にかかったきっかけは、免疫が働かなかったために、カビを受け入れてしまったことが原因でした。その引き金となったのは、顔を傷害した際に、医師から処方された治療薬(免疫抑制剤)だったと思っています。

 一方、CRPは細菌感染では高い値を示すが、ウィルス感染では値があまり上昇しないといわれています。理由はウィルスと細菌の構造の違いにあると考えられているようです。前者は細胞膜がないからCRPが付着できない。なるほどと思います。ただ、ウィルスが細胞を乗っ取って中に入り込んだ段階を考えると、マクロファージからではなく、今度は、傷害細胞自らがSOSのサインを出し、肝臓でCRPがつくられる過程が働くことも想像に難くありません。その場合は一定程度増えるのではないか。理由はともあれ、高熱を出して病院にかかったときに、CRPが低いものの、インフルエンザ検査をしてみたら、陽性だったということがよくあるわけです。

 CRPの標準ですが、0.5以下を目安とするところや、0.3以下を目安とするところがあります。病院によっては0.1以下としているところもあるようです。基準がこれだけ違う理由は、これも推測の域を出ませんが、外国人と日本人では体つきも、肝臓の強さも違うと思うので、このあたりの違いもあるのではと想像しています。いずれにせよ、他人と数値比較して、値が同じだから体調も同じはずだといった使い方は意味がなく、自分のCRPが今回、この程度に上がった(下がった)から、どうこうといった使い方が推奨されるのでしょう。

   では、病院で検査を受けたところ、CRPが少しだけ高い(たとえば3.0とか)といわれて、抗生物質を出しましょうということになったらどうするか。悩ましいところですが、そのときに、レントゲン検査などで肺炎の炎症所見があるかどうかがポイントになると思います。どこかの臓器に炎症があるかもしれないということはありますが、それであれば、どこの臓器が異常を訴えているかはCRP以外の要素でも想像はできるはずです。なので、もし、レントゲンで炎症所見がないのであれば、先生に少し様子をみさせていただきたいとご相談してみることも大事なことではないか、むやみに抗菌剤を体に入れると、体に負担をかけますし、免疫にとっても必ずしもいいことではありません。寅三郎の経験では、医師は3.0くらいでは抗菌剤を処方してくれませんでした。薬なしでも免疫の働きで自然に回復したことがありました。

  

(2)寅三郎の場合

 寅三郎は、平熱の状態であっても、CRPは0.5~0.8程度の高値が続いています。なんとなく体がだるいことが多いです。最近、一度だけ0.3を切って大喜びしたのですが、次の診察日にはまたもとに戻って高値安定。

 CRPの微増安定の原因は、寅三郎にはわかりませんが、CRPが高いということは、細菌の罹患はないにしても、どこかの組織が壊れていて、その影響を示しているのでないかと推測しています。対策になるかどうかわかりませんが、栄養状態を改善する必要を感じ、また、腸活にも取り組んでいます。

 具体的には、毎朝タンパク質を取ること、クルミと皮つきピーナッツ、玄米の胚芽粉、ぬか漬けのニンジン(オリーブオイルをまぶして)などです。βカロテンは、脂溶性のため、少しでも消化吸収の効果を上げたいと思ってのことです。ただ、薬との飲み合わせに、薬の効果を強めてしまうことがあるとか、注意が必要なこともありそうです(参考文献)。

※このブログは、アスペルに苦しんだ患者の立場から、それを克服するためには、免疫反応の全体像を理解することが、ぜひとも必要だとの思いで、書きはじめたものです。医療関係者の方の目にとまって、適切なアドバイスがいただけたら、すばらしいことなのですが、今のところは、自分で頑張るしかありません。このことから、今回のように新しい知見で内容の一部に修正が生じる場合がありますが、勇気をもって修正しようと思っています。よろしくお付き合いください。

CRPが少しだけ高いとなったときに抗生物質をもらった方がいいかどうかについて寅三郎の意見を追記しました(R3/12/4)

 

(参考)

 CRPとは何か | 医学博士 Dr.松本のブログ (matsumoto25.net)

 炎症の原因・経過 (kenkou-jouhou.com)

 免疫グロブリンとは - コトバンク (kotobank.jp)

サプリメントの悪いみ合わせはある?おすすめや医薬品との関係についても解説! | サプリポート by スタルジー (stalgie.co.jp)