自分らしく今を生きる!

自ずから収まるところに収まる

アスペル君 さようなら

これは、アスペルギルス感染症に8年以上にかけて苦しみ、いまはこれを克服しつつある(あるいは克服しようと歩みを進めている)一患者の記録です。難しい病ですが、この病のことをきちんと知り、適切な対策をしていけば、決して恐れることはないと私は確信をしています。今後、この病の特徴と対策を自分なりに調べ、体系的に整理し、このブログに少しずつアップしていきます。肺アスペルギルス症患者は全国に20万人ともいわれます。推定患者はさらに多いかもしれません。ある程度の期間が経過しないと症状として出ないためです。

 

この病は、著しく免疫を弱めているときに、たまたまカビの胞子が体内に入り込んで肺で発病するもので、完治が難しいといわれています。なにかの原因で肺胞同士の壁がなくなって大きな空洞ができているときに、そこに入り込んでしまうとさらに治療は困難を極めます。原因となるカビの胞子は、生活空間のなかでは日常的に存在し、いくら掃除を念入りに行っても完全除去は難しいと言われます。かといって、すべての部屋に分子レベルの空気清浄機を備えるわけにもいきません。そうしたなかで健康が守られているのは、結局のところ外敵の侵入と侵入を許さない免疫との間で常に激しいバトルを繰り返しているからにほかなりません。何かの原因で免疫の力が落ちたことで均衡が破れたことで発病します。しかし、様々な症状、不定愁訴に苦しめられることを考えれば、運が悪かったではとうてい済まされません。         

        

 『孫子・謀攻』に「彼(敵)を知り己を知れば百戦殆からず」という言葉があります。あえて言うとしたら、敵はアスペルギルス、己はこれを迎え撃つ自分の体に備わった免疫の働きと言えるでしょうか。それにしても、私たちは、敵情報、アスペルギルスのことをどれだけ知らされているでしょうか。また、己情報、自分の体の状態をどれだけ客観的に知っているでしょうか。アスペルギルスは専門性が高いためか、私たちは断片的な情報にたどり着くことはできますが、それらの情報がお互いにどう結びつくのかを知りません。また、真菌自体を確認しようにもある程度の量にならないと、肉眼で確認することができません。一方で、免疫反応はどうかと言えば、私たちは免疫のことを詳しく知っていません。たとえば、この食べ物は免疫にいいとかいいますが、免疫細胞のどの部分に働いて、外敵をどうやってやっつけてくれるのか、仕組みが知らされていないのです。

   そして、理解を難しくするもう一つの原因は、自律神経の働きです。免疫は自律神経の働きが関係するといわれますが、末梢神経のうちで自分の意思で動かすことのできる体感神経(知覚神経や運動神経)と異なり、自律神経(交感神経や副交感神経)は自分の意思で動かすことができません。どうやったら、免疫細胞が気持ちよく働いてくれるかを私たちは知らないのです。

 

この病に罹って、自分自身をあらためて振り返ってみたときに、最初の6年くらいは情報不足のために恐れおののき、医師の言葉にいちいち右顧左眄する姿がありました。今の自分のこと、将来のことがどうなるかわからないままに、すべてを決めかねている自分がそこにいました。でも、今は違います。治るんではないかといった気持ちが確信に変わりつつあります。

 ただ、確信が一人合点の結果であればそこに何の意味もありません。寄せられた断片的な事実が、全体的な理解の中で矛盾なく説明できるかどうかこそが重要だからです。そのために、あえて、作業の詳細をツリー化してお示しすることにしました。どこの項目から読んでいただいても結構ですので、ご自分の症状を紹介いただいたり、あるいはここはちょっと違うのではないかみたいなご意見を寄せていただくと大変ありがたいです。そのことによって、寅三郎もさらに理解を深めることができます。

 

 闘病は長丁場になることから、あるいは読者の方は治療に専念されておられる方も多いと拝察されますが、克服後には社会参加へのあらたなスタートがあります。寅三郎も、この点を大事にして、皆様と意見共有させていただければと思います。皆様の意見をお寄せくださるよう、お願いいたします。